『毎日新聞』福岡版2009年7月1日付

産学官ネットワーク:「大学のまち福岡」の魅力発信 福岡市など発足


◇福岡市、21大学、商議所

「大学のまち福岡」の魅力発信などを目的に産学官が連携する「大学ネットワークふくおか」の設立総会が29日、福岡市内のホテルで開かれた。福岡都市圏の21大学、福岡商工会議所をメンバーに、国内外への情報発信を強化する。

ネットワークには福岡市の九州大や福岡大の他、久留米大(久留米市)、福岡経済大(太宰府市)なども参加。これまで福岡市は各大学の学長との意見交換会を毎年開催し、市民への公開講座などを実施してきた。しかし、市内の学生数はここ数年減少傾向にあり、若年人口の減少に伴い地域間競争も激化していることなどから、商議所も加えて、各大学との連携もこれまで以上に緊密にすることにした。

総会で、吉田宏市長は「大学の知的な蓄積を地域に還元することが福岡の発展につながる。福岡都市圏という一つのキャンパスに複数の大学があるというイメージで世界レベルの学園都市を築きたい」とあいさつ。九州大の丸野俊一副学長は「優秀な研究者や学生を集めるには各大学の研究成果を集積してデータベース化し、オンラインで公開して世界に発信する取り組みが必要だ」と述べた。ネットワークは今後、県外へのPR事業や、市長と学生の意見交換会などを企画するという。【河津啓介】