『神戸新聞』2009年7月2日付

南あわじ市と神大大学院 地域活性化へ協定締結 


地域の発展に共同で取り組もうと、南あわじ市と神戸大学大学院国際文化学研究科が「連携・交流に関する協定」をこのほど締結した。同研究科と県内の自治体が協定を結ぶのは初めて。豊富な知的資源をもつ大学と、淡路人形浄瑠璃などの文化財産に恵まれた同市が連携を深め、地域の活性化や異文化理解の促進を目指す。(橋本 薫)

連携活動としては、淡路人形浄瑠璃などの文化を大学院生らが研究し成果を地元に還元することや、少子高齢化や外国人居住者の増加など現代社会が抱える問題を共同で調査することなどを想定している。

本年度の具体的な事業としては、8月に大学側から約25人が同市を訪れ、淡路人形浄瑠璃を守ってきた地域社会を研究するフィールドワークを実施。また、子どもならではの視点を分析するため、10月に開かれる「わんぱく子ども映画祭」の作品を同研究科の教員が研究する。

11月には、協定締結の記念事業として、同市で国際シンポジウムを開催。国内外からゲストを招くほか、研究成果の発表を通じ、地元住民との交流を図る。

市中央庁舎(同市市善光寺)で開かれた協定書調印式には関係者10人が参加。中田勝久市長は「市の振興に大きな影響があることを確信している」と期待を込めた。同研究科の水田恭平研究科長は「具体的な社会、生活の場で検証作業ができることは、学生にとって貴重な体験になる」と話した。

協定は調印した6月26日から3年間有効で、両者に異議がなければ更新される。