『信濃毎日新聞』2009年6月27日付

信大、法科大学院定員を30人から18人に削減


信大(本部・松本市)が、同大法科大学院の定員を、現在の30人から40%減となる18人にする方針を固めたことが26日分かった。同大学院は削減の理由について「効果的な教育を行うのにふさわしい体制を考えた」としている。新定員は、来春入学の2010年度入試から適用する。

同大学院の定員は40人だが、05年の開設直後に設置申請書類の虚偽記載が発覚したことから、06年度以降は自主的に募集を30人に抑えている。新定員は、当初の40人からは55%の削減となり、文部科学省は「検討中の大学院もあるが、定員の削減幅としては最大の部類ではないか」(専門職大学院室)としている。

04年に全国でスタートした法科大学院は、修了者の新司法試験合格率が平均33%(08年)と低迷。中央教育審議会大学分科会の特別委員会が今年4月にまとめた報告書では、新司法試験の合格実績や入学競争倍率の低い大学院に対し、教育水準の向上や入学定員の見直しなどを求めている。

信大は3月末の役員会で定員削減の方針を決め、検討を進めていた。定員を大きく減らすことについて、同大学院の米田保晴・法曹法務研究科長は「国立大全体の動向を勘案しながら検討した結果」と説明している。

信大法科大学院は昨年、初の修了者29人のうち、19人が新司法試験を受験したが合格者はいなかった。全国の法科大学院74校のうち、合格者がいなかったのは信大を含め3校。信大法科大学院の09年度入試では、受験者73人のうち、39人が合格。実際に入学したのは17人だった。