『京都新聞』2009年6月25日付

芸術入り口に宇宙知って
京大と京都精華大がコラボ


京都大宇宙総合学研究ユニットと京都精華大は24日、宇宙科学と芸術を融合した文化や学問の創造を目指すプロジェクト「宇宙とアート」を立ち上げたと発表した。京大の最新の研究成果を素材にした芸術作品の制作や商品開発を行う予定で、宇宙のロマンを京都から世界に発信する。

宇宙ユニットは天文学や宇宙航空工学など学際的な研究分野が集まり2008年に発足し、芸術との融合で宇宙科学をもっと身近な学問にしようと京大が精華大に呼び掛けた。

プロジェクトには両大学から教員と学生約20人ずつが参加した。これまでに、精華大生がデザインとイラストを担当した宇宙ユニットの紹介パンフレットや名古屋市に今月オープンしたサイエンスカフェのランチョンマットを制作した。

紹介パンフには、京大花山天文台で撮影されたオリオン大星雲の画像などをあしらい、異分野の研究者が協力して宇宙を研究する様子をイラストで分かりやすく表現した。

今後、天文学をテーマとする講演と映像パフォーマンスを組み合わせたイベントを開くほか、宇宙研究の成果を広く発信するため、絵はがき、携帯電話用のソフトなどの商品開発も計画している。

宇宙ユニットの磯部洋明特定助教は「アートを入り口に多くの人が宇宙科学に近づいてもらえたらうれしい。宇宙を素材にすることで芸術の可能性も広がるのではないか」と話した。