『東京新聞』群馬版2009年6月19日付

群大提案の2件採択 科学技術振興調整費 多文化共生の人材育成など


群馬大は十八日、文部科学省が公募した本年度科学技術振興調整費の対象事業に、同大が申請した人材育成の事業計画二件が採択されたと発表した。デジタル技術発展に不可欠な基礎工学の専門家を育てる事業と、外国人の地域社会への融和を手助けする「多文化共生推進士」を養成する事業。同大は「地域社会に役立つ人材輩出に努めたい」としている。

基礎工学の専門家養成計画は「デジタルを活かすアナログナレッジ養成拠点」と名付けられた。デジタル機器の品質を支える技術の向上を目指す人材を募集、企業の新技術につながるような知識を講義や実習で伝授する。

もう一つは「多文化共生推進士養成ユニット」。ブラジル人ら外国人の就業や地域活動への参加を促進するため、教員や医師、経営者らに文化の多様性などを学ぶ機会を与える。講座修了者には知事が「多文化共生推進士」の認定証を授与。将来的には外国人問題を扱う「(仮称)多文化共生推進センター」設置を目標にしている。ともに事業の実施期間は五年間。

会見した高田邦昭学長は「社会貢献を目的とした事業を実施できることは非常に喜ばしい。地域の産業や文化の質を向上させる取り組みにしたい」と述べた。 (中根政人)