『京都新聞』2009年6月20日付

産学官連携、一層推進を
京で会議開幕 野田担当相ら講演


企業や大学、公的機関の連携による科学技術の発展策を考える「第8回産学官連携会議」(内閣府など主催)が20日、京都市左京区の国立京都国際会館で開幕した。初日から企業幹部や研究者らが効果的な連携モデルや地球温暖化対策などを活発に議論した。2日間の日程で約4500人の参加を見込む。

開会式では麻生太郎首相がビデオメッセージで「産学官連携の機運がさらに高まり、日本の科学技術が発展することを願う」とあいさつした。基調講演で野田聖子科学技術政策担当相は「最先端の技術や知識を組み合わせるオープンなイノベーション(技術革新)が重要。政府も一体で支援する」と強調した。

特別報告では産業支援機関でつくる全国イノベーション推進機関ネットワークの堀場雅夫会長(堀場製作所最高顧問)が「ベンチャー支援には、省庁連携によるネットワークが必要だ」と訴えた。

六分科会で議論を深めたほか、展示会場では大学など約450機関が研究成果を発表。鳥インフルエンザ抗体の開発で産学官連携功労者表彰(文部科学大臣賞)を受けた京都府立大の塚本康浩教授らのブースが注目を集めた。21日は若手研究者らの成果発表などが行われる。