『新潟日報』2009年6月18日付

新大塚田医学奨学金で若手支援


ことしで20周年を迎えた「新潟大学塚田医学奨学金」の授与式が17日、新潟市中央区の有壬記念館で行われた。毎年、医療の発展に力を注ぐ若手研究者を支援しており、今回は難聴のメカニズムなどを研究している同大助教ら3人に計190万円を贈った。

奨学金は塚田服装専門学校(同市、1986年閉校)の塚田実津江学校長が同大付属病院=当時=に入院した際、若い医師が研究に没頭する姿に感銘し、同校の売却資産約1億円を元に90年に創設。塚田さんは2007年に亡くなったが、同大では意思を受け継ぎ、この日で計77人に約5千万円を贈った。

ことし選ばれたのは、がん抑制遺伝子を研究する教育研究院医歯学系生化学第一の助教広瀬哲史さん(32)ら3人。式では内山聖同大医学部長が「これまでに受賞者の8人が教授になったほか、研究内容も年々高度になっている。奨学金が役立っている証」とあいさつ。ことし初めて、実津江さんの顔が刻まれた金メダルも製作され、3人に手渡された。

広瀬さんは「実験には試薬代やマウス飼育費がかかるので本当にありがたい」と話していた。