『朝日新聞』山梨版2009年6月18日

理数系の専門教員を積極養成 山梨大・県教委・県立科学館が連携


子どもの理数離れを食い止めようと、山梨大(甲府市)と山梨県教育委員会、山梨県立科学館の3者は連携して、小中学校の理数系教員の養成に取り組む。文部科学省所管の科学技術振興機構の委託事業に採択され、今年度から2年間で約2千万円の助成を受ける。

12日に、3者が発表した。同大教育人間科学部の2、3年生10人と、現職の小中学校教員10人の計20人を募集する。

同大で力を入れているワイン科学や県立科学館のプラネタリウム学習などの講義のほか、実験やフィールドワークもある。

2年間で講義や実習を計300時間予定。試験や実験の実技などで合格すれば、他の教員に指導するコア・サイエンス・ティーチャー(CST)として認定される。養成を2年間試行し、CSTの派遣は13年4月からの見通し。

会見した寺崎弘昭・同大教育人間科学部長は「理数嫌いや理数離れは指導する教員にも当てはまる。まずは少人数でも核となる理数系教員を養成したい」と話した。

同大によると、現在教員を志望している学生の多くが選択の実験科目を履修していないという。そのため、CSTは他の教員に実験の手ほどきや助言をする役割が期待される。佐藤安紀県教委教育次長は「学校現場の構造的な問題にメスを入れる、画期的な事業になる」と期待している。(福山亜希)