『東京新聞』2009年6月21日付

『地域中核産学官』 県、国の連携拠点に 希少金属など4分野研究


文部科学省と経済産業省が共同で公募していた「地域中核産学官連携拠点」に本県が選ばれた。選定により、産学官が連携して行う研究開発や人材育成について、国に補助金を申請した際に優遇される。県などは今後、医療・健康やレアメタル(希少金属)など四分野で研究開発拠点となるよう取り組みを進める。 (石井宏昌)

同連携拠点には全国から二十八件の申請があり、群馬を含め十件が選ばれた。県が提案したのはレアメタルや医療のほか、環境・新エネルギー、メカトロ・ロボット分野。いずれも産学官連携などで既に開発されている基礎技術を、さらに発展させて事業化や新産業創出につなげることを目指す。

具体例として、医療では、超高感度ガスセンサーで人の息に含まれるごくわずかなにおいを検知し、がんの早期発見につなげる技術や、温泉から回収したレアメタルを利用して軽量な合金を生産し、自動車部品に利用。また高精度のモーターを応用し、介護用ロボット開発なども目標としている。

群馬大や東京工大など県内外の大学とサンデンなど県内大手十一社、県などが今年二月、産学官連携を進めるために組織した「ぐんま地域イノベーション創出協議会」が中心になって、今後、取り組みを加速させる。

県科学技術振興室は「選定された地域には国の産学官連携の関連予算が集中的に投入される。県内の大学や企業から期待も大きい。十年後をめどに研究開発拠点にしていきたい」としている。