時事通信配信記事 2009年6月21日付

博士志願者、定員下回る=5年連続、入学者は7割未満に−中教審が適正規模提示へ


大学院博士課程の延べ志願者数が2004年度から5年連続で入学定員を下回ったことが20日、文部科学省の調査などで分かった。定員が増え続ける一方、修了者の就職難などから人気が低迷し、大学や分野を選ばなければ希望者がすべて進学できる状態だ。入学者は定員の7割を切り、大学経営や研究への深刻な影響が懸念される。

学部の定員割れも相次ぐ中、中央教育審議会は全国でどれだけの学生数が適正か、学部、修士、博士の課程ごとに規模を示す検討を始めた。併せて、大学の組織再編、定員縮小を後押しする国の財政支援の充実を求めている。

財団法人文教協会の08年度の集計によると、国公私立の大学752校(募集停止の大学は除く)のうち大学院があるのは597校。博士課程の入学定員は2万3547人まで増えた。

文科省の学校基本調査では、延べ志願者数は5年連続で減少し、同年度は2万3人。04年度に定員を下回り、08年度は0.85倍まで低下した。入学者数は1万6271人で、定員充足率は69.1%。