『読売新聞』2009年6月16日付

大学合併を国が支援、少子化に対応…中教審1次報告案


中央教育審議会(文部科学相の諮問機関)の大学分科会が、中長期的な大学政策のあり方についてまとめた第1次報告案が明らかになった。

少子化の進展を受け、合併などで経営効率化を目指す大学に対する国の支援充実などを盛り込んだのが特徴だ。

報告案は日本の大学の現状について、〈1〉37・1%が単年度の授業料収入で経常支出をまかなえない〈2〉私大の47・1%が定員割れしている――と指摘したうえで、〈1〉大学の取り組みへの支援〈2〉適正な規模の検討〈3〉大学間の連携促進――を中心に、今後の大学政策の具体策を提起した。

「大学支援」に関しては、合併時の準備経費などへの国の補助制度や定員調整を行う大学への支援制度の創設を提言した。一方で、定員割れしている大学に対しては、学部設置の認可を厳格化するよう求めた。

「適正規模」に関しては、日本の大学入学者に占める25歳以上の割合が約2%にとどまり、経済協力開発機構(OECD)諸国平均(20・7%)を大幅に下回っている点を強調。社会人や高齢者などの就学策の充実を求めた。