『読売新聞』宮崎版2009年6月17日付

宮崎大が農学部再編 専門家育成目指す


宮崎大は、来年4月から農学部の5学科を6学科に再編する方針を決めた。国内の農業や大学の農学教育の役割が急激に変わっているためで、スペシャリストの育成を目指す。改編は2000年以来、3回目。大学院についても同月から、医学獣医学総合研究科を新設する予定。

同大によると、農業や教育の役割の変化に伴い、現在の体制では、地球温暖化や食の安全の確保、持続的な農産物の生産、人と動物の感染病克服など、様々な問題に対応しにくくなっているという。

このため、食料生産科学科や生物環境科学科、地域農業システム学科など5学科を、〈1〉植物生産環境科学科〈2〉森林緑地環境科学科〈3〉応用生物科学科〈4〉海洋生物環境学科〈5〉畜産草地科学科〈6〉獣医学科――に再編する。定員は計265人で、5学科の場合と変わらない。

同大は「各学科の中心科目を必修にして、より深く学び、スペシャリストを養成する」と強調。新学科の名称についても、企業や官公庁など外部から見て教育内容が分かりやすく、「就職で有利になる」と効果を説明している。

大学院に新設する同研究科は定員23人。人と動物の共通感染症の防疫や治療には医学と獣医学の両方が必要なことや、指導的な立場で活躍できる産業動物臨床獣医師が県内で不足していることなどから、両方を融合させた。