『中日新聞』2009年6月13日付

《経済》 浜松、東三河の産学官が連携 『光・電子』創造拠点事業を採択


浜松・東三河地域の産学官が県境を越えた連携を目指す「光・電子技術イノベーション創出拠点」計画が、文部科学省と経済産業省の新規プロジェクト「地域中核産学官連携拠点」に採択された。浜松市や浜松商工会議所などが12日、計画概要を発表した。

今夏にも推進組織「産学官ネットワーク協議会」を設ける。応用範囲の広い光・電子分野の技術革新を進め、農業や健康・医療、自動車の次世代技術といった新産業を10年後をめどに創出する。車に代表されるピラミッド構造から、ネットワーク型への産業集積も図る。

浜松・東三河地域では、文科省の知的クラスター計画、経産省の産業クラスター計画などが進められてきたが、新規プロジェクトはこれらを集約する形で新産業創出の効果を高めるのが狙い。10年間は国の集中的な支援を受けられる。
 推進組織の事務局は浜松地域テクノポリス推進機構(浜松市中区)が担い、まず企業と大学を橋渡しする人材育成を強化する。

計画では、3年後に拠点機能を整備し、総務部門などを共通化する支援も始め、ベンチャー企業の成長を促す。さらに、卓越した研究者や技術者を養成し、30年後にノーベル賞受賞を目指すという。

浜松商議所の御室健一郎会頭は「浜松は大企業中心に組み立て型の産業構造で成長してきたが、今回の不況で打撃を受けた」と指摘。産学官連携について「規模が小さくても、きらりと光る技術を持つ企業がたくさん出てきてほしい」と期待を込めた。

産学官連携拠点には全国で41件の応募があり、15件が選ばれた。

参画団体は次の通り。

【提案機関】浜松商工会議所、豊橋商工会議所、静岡大、豊橋技術科学大、浜松医科大、光産業創成大学院大、静岡県、浜松市、愛知県豊橋市【調整機関】浜松地域テクノポリス推進機構【協力機関】静岡県立大、静岡理工科大、サイエンス・クリエイト