『山陽新聞』2009年6月12日付

初期臨床研修と大学院研究を両立
岡山大がプログラム開始 全国初


岡山大は本年度から、国家試験に合格した新人医師に義務付けられている2年間の初期臨床研修と大学院の研究を両立させる「ART(先進医学修練)プログラム」の運用を始めた。医学生の臨床専門医志向が高まる中、医学研究の重要性をアピールし、研究者育成につなげる狙い。同大によると、全国初の取り組みという。

初期研修を終えた医師には、3年目以降の後期研修で引き続き病院に勤務▽大学院に進み研究―などの選択肢がある。だが、近年は臨床志向が高く研修医が市中病院にとどまり、研究を志す医師が大学病院に集まらないとの指摘がある。

同プログラムでは、学部4年から大学院の講義を履修できるようにした。卒業後、岡山大病院(岡山市北区鹿田町)と岡山市立市民病院(同天瀬)で研修すると同時に院生として研究もすることで、通常は初期臨床研修を終えてから4年かかる博士号の取得が2、3年早くなる。