『朝日新聞』2009年6月10日付

研究費獲得 教員に報奨金、1%を現金支給 大阪府立大


大阪府立大(堺市中区)は6月末から、国や企業から研究費や寄付金を獲得した教員に対し、報奨金をボーナスに上乗せして支給する。府立大は橋下徹知事から「府民に存在意義が十分理解されていない」と批判され、存廃を含めた抜本的改革の議論が進む。報奨金で教員の意欲を引き出し、研究の充実や大学経営の改善につなげる狙いだ。(藤田さつき)

府立大によると、国から支給される科学研究費補助金や、民間から受託研究費などを獲得した教員に、獲得額の1%を現金で支払う。研究費の額が比較的小さい人文系の教員らも対象にできるように、獲得最低額は100万円とした。

ただし巨額の研究費などを獲得しても、報奨金の上限は50万円。6月末のボーナスに合わせて、報奨金の支給を始める。今回は08年度に研究費などを獲得した教員182人に計2017万円が渡されるという。

府立大は06年度から、研究費などを獲得してきた教員に、図書券や商品券を支給してきた。08年度は、2千万円以上を獲得した教員に一律10万円の商品券を渡したが、「使い道が限られて先生たちにメリットに感じてもらえなかった」(府立大幹部)という。このため現金支給に切り替えた。

府立大によると、年間約195億円の収入総額(08年度予算)のうち、こうした研究費などの外部資金は約15%を占めており、大学の収入アップにもつなげたい意向だ。同様の報奨金制度は九州大で例がある。