『毎日新聞』茨城版2009年6月9日付

産学官連携イノベーション創成機構:茨城大に全学的組織を発足


◇ベンチャービジネス支援を一元化

茨城大は、民間企業との共同研究や大学発のベンチャービジネス支援を目的とした学内組織「産学官連携イノベーション創成機構」を発足させた。学外機関との橋渡し役を担うほか、知的財産権も一括管理し、研究開発に専念できる環境の整備が狙い。今月16日に日立キャンパス(日立市)で開所式が行われる。

茨城大ではこれまで、理工学研究科内にベンチャー支援組織を設け、工学系を中心に03年以降15件の起業があった。しかし、知的財産権の管理は別組織が担当していたほか、農学部や教育学部など別分野のベンチャー熱を吸い上げようと、全学的な組織改編に至ったという。新組織では松田智明副学長を機構長に、人材育成や知的財産、共同研究推進など5部門で部門長職を新設する。

8日に県庁で会見した同機構専任教員の中澤哲夫教授は「窓口を外からみても内からみても一元化し、全学的ベンチャーマインドの醸成につなげたい」としている。【八田浩輔】