『朝日新聞』2009年6月8日付

学費滞納、4千人増加 08年度


08年度の全国の国公私立大、短大、高専の学費滞納者数は計1万4662人で、07年度の1万632人から、4千人以上増えたことが文部科学省の緊急調査でわかった。一方、経済的理由での中退者は1割強減った。

調査は、今回の経済危機を受けて行われた。国公私立大学、短大、高専計1225校を対象に、08年度末(今年3月20日時点)と07年度末(昨年3月31日時点)の学費滞納者数、中退者総数、経済的理由での中退者数などを尋ねた。94%にあたる1148校が回答した。

結果によると、学費滞納者は08年度1万4662人(全学生数の0.6%)で、07年度から38%増えた。08年度の大学の滞納者数を国公私別にみると、国立大は前年度から78%増の2742人。私立大は同32%増の1万659人、公立大は同26%増の421人だった。

中退者総数は08年度が4万9394人で、07年度の6万3421人から大幅に減った。経済的理由を挙げた中退者数も08年度7715人で、前年度より1200人近く減った。文科省は「数字は今後、分析が必要だ。減少の理由はよくわからない」としている。