『沖縄タイムス』2009年6月12日付

大学院大法案が衆院通過/参院沖北委で来週にも審議/民主、参考人質疑へ


【東京】沖縄科学技術大学院大学学園法案が、11日開かれた衆院本会議で全会一致で可決され、参院に送付された。同日あった沖縄北方特別委員会で、自民、民主、公明が共同提出した修正案と修正部分を除く原案をそれぞれ全会一致で可決していた。

参院沖北委は16日にも理事懇談会を開き審議日程を調整し、早ければ来週中にも審議入りする見通し。民主は参院でも賛成の意向を示しているが、参院沖北委では沖縄科学技術研究基盤整備機構(OIST)関係者に対する参考人質疑を求める動きが出ている。

衆院を通過した法案の修正は、国が運営費の全額を2分の1を超えて補助できることを定めたほか、理事や評議員の選任で運営の透明性を確保する文言を追加した。

11日の衆院沖北委の質疑で佐藤勉沖縄担当相は国の財政支援について、世界最高峰水準の研究を実現するため国が責任を持つことが必要との見解を示した上で、「沖縄の自立的発展に寄与するため、大学院大学にも研究機関としての競争力を高め企業の受託研究など外部資金の獲得を促す仕組みも必要だ」との考えを述べた。

清水治内閣府沖縄振興局長は大学の研究水準の維持について、OISTの代表研究者は任期を5年間とし、外部の専門家による評価を経て契約の継続を検討していることを説明。「OISTと同様に、大学院大学でも教授を原則5年間の任期で契約し、厳格に評価する仕組みを導入する検討を進めている」と述べた。

開学による周辺への経済効果については、知的クラスターの形成による企業誘致のほか、研究者や事務員など500人以上の直接雇用が生じる試算を明らかにした。