『しんぶん赤旗』2009年6月2日

奨学金
ブラックリスト化やめよ
参院委 文科相「実態調査する」
山下議員追及に


日本共産党の山下芳生議員は1日の参院決算委員会で、奨学金の返済を滞納した利用者を個人信用機関に通報する「ブラックリスト化」について、「『教育の機会均等』を保障する制度の趣旨と相いれない。即刻撤回すべきだ」と迫りました。

日本学生支援機構の2009年度奨学金案内は、3カ月以上返済を滞納すると「ブラックリスト化」され、クレジットカード使用や住宅ローンが組めなくなると明記。「同意書」の提出まで求めています。1回ブラックリストに載ると、返済しても5年間はリストから消されません。

山下氏の質問に、塩谷立文科相は「いまのところ被害が出ていない」 と述べ、「ブラックリスト化」に固執する姿勢を示しました。

山下氏は「被害が出ている」とし、“大学院まで借りた場合の返済金額を考えると自信を失い、進学を断念した”という大学院進学を希望していた国立大4年生の声を紹介。「奨学金制度が学問を断念させている。実態を調査し、再検討せよ」とただしました。塩谷文科相は「実態は調査する」と述べました。

山下氏は、すでに奨学金を借りている在学生にまで同意書提出を求めていることを批判し、「同意書を提出しなくても、奨学金を打ち切るべきでない」と追及。塩谷文科相は「それはございません」と答えました。

また山下氏は、「学費を負担に感じる」学生が6割にのぼるという実態調査を示し、「速やかに学費の負担軽減に取り組むべきだ」と要求。塩谷文科相は「検討する」と答えました。