『佐賀新聞』2009年5月27日付

学内の女性研究者支援へ 佐賀大が新組織
若手育成、育児、介護も


佐賀大学(長谷川照学長)は、女性研究者を仕事と生活の両面で支援する学内組織を7月に立ち上げる。育児や親の介護などのサポート体制を整え、研究者になるための基礎学習も手助けする。支援充実で、現在13.6%の研究職の女性比率を2011年度までに15%超に引き上げることを目指す。

支援事業を統括する「かささぎサポート・ラボ」(職員3人)を新設。研究者育成、育児、介護支援の3部門それぞれに責任者の教員と新規採用するコーディネーターを1人ずつ配置する。

研究者育成では、大学院生らを対象にキャリア教育を実施、女性研究者が少ない自然科学系の増員につなげる。子育て対応では、夜間保育や学童保育体制整備のほか、付属病院小児科や育児サポート団体と連携し、病気中や病後の子どもの保育も検討する。介護支援では、情報提供や相談体制を整え、講座も開く。

総事業費は3年で約1億2400万円。文部科学省のモデル事業に採択されている。

佐賀大によると、教授から助手までの研究職692人のうち、常勤の女性は13.6%にあたる94人。全国平均をやや上回っているが、家庭と両立できずに辞めていくケースもあり、支援策が課題になっていた。