『産経新聞』2009年6月2日付

法科大学院、700人削減へ 22年度定員 司法試験合格率低迷で


法科大学院74校のうち、約9割にあたる65校が平成22年度以降に定員削減を予定もしくは検討しており、22年度の総定員数は現在の5765人から700人程度減少する見通しであることが1日、法科大学院協会の調査でわかった。

法科大学院は20年度、74校中46校が定員割れし、司法試験合格率は33%と低迷。中教審の特別委員会は抜本的な定数削減や、「適性試験」で最低基準を設けることを求め、日弁連も定員を4000人まで削減するよう提言している。同協会は最終的な削減数は計1000人程度とみている。

調査は同協会が1〜3月、全74校にアンケートを実施(うち1校は公表拒否)。具体的な削減計画を示したのは47校で、検討中としたのが18校あった。

削減率が最も大きいのは新潟と神戸学院の2校で、41・7%減。ほかに鹿児島、東北学院、広島修道、神奈川の計6校が4割以上削減する。

一方、削減予定がないとしたのは中央や立教など私立5校。関東学院、姫路独協、福岡の3校は今年度から定員削減を行っている。

20年度の新司法試験合格者がゼロだった信州と愛知学院は、信州が「検討中」、愛知学院が「20〜11・4%減」としている。

入学者選抜について適性試験の比重を上げたり、論述試験を充実させるといった改善をしているとしたのは約8割の59校。成績評価についても62校が再試験廃止などの工夫をしていると答えた。

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【法科大学院の定員削減予定】

削減率  院数 学校名

4割以上 6  新潟、鹿児島、東北学院、神戸学院、
          広島修道、神奈川
4割未満 10  金沢、静岡、学習院、創価など
〜2割超
2割   21  北海道、東京、京都、筑波など
2割未満 10  一橋、神戸、青山学院など
検討中  18  東北、信州、首都大学東京、慶応など
予定なし 5  北海学園、専修、中央、立教など
削減済み 3  関東学院、福岡、姫路独協
(法科大学院協会まとめ)