『南日本新聞』2009年5月29日付

鹿児島大の知で新産業を 企業支援へ横浜の財団と連携


鹿児島大学は28日、横浜企業経営支援財団(横浜市)と産学連携協定を結んだ。鹿大の知的財産を活用し、交流を進めて新技術や産業創出につなげる狙い。横浜に約10万7000ある事業所の多彩な企業ニーズを見込み、横浜と鹿児島の企業を結ぶ「産産連携」も視野に入れている。

同財団は横浜市の企業を公的に支援する同市の外郭団体で金融機関や早稲田など神奈川県外の8大学とも連携している。農、水産の両学部がある鹿大は食品、食材を含む農水産業関連の研究成果などが豊富なことから、財団側が申し入れて昨年末から協議。九州では鹿大が初の協定先となった。

今後は財団が主催する産学交流サロンや各事業所が参加する展示会で大学の研究成果を発信。双方の技術やデータ、情報ニーズなどのよりよい組み合わせを探り、共同研究や開発に結びつける。

鹿大産学官連携推進機構(安部淳一機構長)の中武貞文准教授は「県域を越えて大学の知恵を発信することで知財活用の新たな流れができ、双方が活性化される。今後もさまざまな場で知の活用が図られるようにしたい」と話している。