『朝日新聞』三重版2009年5月25日付

三重大大学院工学研究科に実践企業学


企業で即戦力となる人材を養成するため、三重大大学院工学研究科は今年度、「実践企業学」という講義を新設した。四日市市のコンビナートにある大手化学メーカーなどから講師を招き、専門的な研究をビジネスにどう生かすかを学んでもらうのが狙いだ。

講義は5月から12月まで計6回。講師は、同大の社会貢献の拠点として03年にできた「四日市フロント」の産学連携コーディネーター横森万さん(61)が人選。化学メーカーや石油会社、電機メーカーなど毎回2社の開発担当者らを招く。

学生は、企業がめざす研究開発や製品化の過程を知り、社会人に求められるコミュニケーション能力や決断力などを磨くことが期待される。

工学研究科の伊藤智徳教授(54)=物理工学=も、NTTで半導体研究に携わった経験がある。「企業では自ら考えて答えを導ける人が重宝される。視野を広く持ち、専門外の研究にも柔軟に取り組むことのできる人材を育てたい」と話している。(小若理恵)