『山梨日日新聞』2009年5月28日付

山梨大 教職大学院申請へ
理数教育、不登校対応に重点


現場教員の再教育や即戦力となる新人教員を養成しようと、山梨大は教職大学院の来年度開設を目指して文部科学省への設置申請の準備を進めている。認可されれば県内初めて。理数教育の指導力向上、いじめや不登校など学校運営上の課題対応を軸にしたカリキュラムを編成する方針。

教職大学院は教員養成専門の大学院で、全国で24校が開設。指導力や子どもとのコミュニケーション能力を高め、学校現場で即戦力となる人材の育成を目指している。

同大によると、共通基礎科目として、教育課程の編成や教科の実践的な指導法、教育相談、学校経営を学ぶ。同大付属幼稚園や小中学校、特別支援学校など連携協力校となる県内15校での実習も予定。修了に必要な単位は46単位とする。

定員は、現職教員8人と教員免許を取得している大卒者6人の計14人を予定。現職教員については今後、県教委が希望者を募る。専任教員は12人としている。

開設後、義務化されている第三者評価と、学内協議会による内部評価を実施し、課題を検証していく。同大は昨年度、開設申請に向けて準備したが、専任教員など人材が確保できず見送った経緯がある。

同大教育人間科学部の寺崎弘昭学部長は「県内は2007年度の中学生の不登校率が全国ワーストで、全県1学区制の県立高では特色ある学校づくりが求められる。課題が多い現場でリーダーシップを発揮できる教員を養成したい」と話している。