『山梨日日新聞』2009年5月28日付

河口湖観光協会、都留文科大と連携
自然と観光 共生探る方策づくり業務委託


河口湖観光協会(井出常済会長)と都留文科大(今谷明学長)は27日、観光振興と環境保全の両立に産学連携で取り組む業務委託契約を結んだ。河口湖を中心とした国内有数の観光エリアの自然環境を維持しながら、観光振興を図るための方策を同大が研究し、同協会に提言する。

同協会によると、河口湖で開催される花火大会が与える水質や魚などへの影響や、動植物の生息実態などの把握を進め、環境保全に必要な対策を検討。「経済優先で進んできた観光業から、自然との共生を重視した形態に移行していく」(同協会)という。

観光客の河口湖に対する意識調査も実施し、今後の観光事業に生かす方針。調査は聞き取り方式で行い、同大の学生も夏休みなどを利用して参加する。

業務委託期間は来年3月31日までで必要に応じて延長する。将来的に市民やNPO、行政、企業などが一体となって観光振興やまちづくりを進めていくきっかけにする。また、業務のとりまとめを行う「環境調整アドバイザー」に同大の渡辺豊博教授(地域環境計画)を委嘱。同大にとっては今年4月の公立大学法人化後、初の地域との連携事業となる。

この日は富士河口湖町内で業務委託締結式が行われ、井出会長は「今後は環境に配慮した観光を進めないとならない。大学の協力を得て必要な取り組みを進めたい」とあいさつ。アドバイザーに委嘱された渡辺教授は「学術組織としての知恵を集め、地域に貢献できるよう頑張りたい」と話した。