『四国新聞』2009年5月23日付

香川大、教養学部を新設へ/国立大で3校目


香川大(一井真比古学長)は大学改革の柱として、2011年度から教養学部を新設する方針を固めた。「地球市民」の育成を理念に、国際学や語学など幅広い知識と、課題解決に向けた実践力の養成を目指す。教養学部が新設されれば、国立大では東大、埼玉大に次いで3校目となる。

構想によると、教養学部は教養学科の1学科で、地球・環境、言語・地域、心理・人間、ツーリズムの4つの「主専攻」(各40―50単位)の選択制。いずれも地域社会でのフィールドワークを重視し、課題解決に向けた実践力を養う方針。

併せて幅広い知識を備えるため、歴史学や政治学、言語学、芸術・文学など10の「副専攻」(各20単位程度)を設定。学生が主専攻と副専攻2つを組み合わせ、自らカリキュラムをつくるのが特徴という。

教養学部の定員は、130人を想定。教育、経済両学部のそれぞれ一部の定員を両学部から分離して充てるため、大学全体の定員に変更はない見通し。キャンパスは香川県高松市幸町を予定している。

香川大は大学改革を進める中で、各方面のニーズを調査。高校生や保護者に実施したアンケートから「国際」「幅広い知識」、企業から「課題解決の能力」とのキーワードが浮かび上がったのを踏まえ、新学部の構想を取りまとめていた。来年5月に、文部科学省に設置認可を申請する。

また、香川大は組織面でも、教員の所属組織を新設する大幅改編を計画。現在は学部に所属する教員について、学部の枠を超えた活用を可能にし、全学的な教育体制を整える。