『毎日新聞』大阪版2009年5月15日付

大阪大:ナノテク産学連携に施設 来年度開設へ


次世代の基幹技術として期待され、競争が激化しているナノテクノロジー(超微細技術)の産業化を支援するため、大阪大学は10年度、産業界との連携拠点「ナノテクインキュベーション棟」を開設する。関西の中小企業が入居し、大学の研究者との共同研究や先端機器の利用が可能になる。阪大は「大学と中小企業の研究成果を融合させることで、関西圏のナノテク関連産業の振興につながる」と期待している。

ナノテクノロジーは物質を10億分の1メートルの世界で扱う技術の総称で、電子部品や医療機器などへの応用が期待されている。

施設を設けるのは阪大産業科学研究所(産研、茨木市)。産研の研究部門が入るほか、24室の研究室を設け、1カ月18万円程度の賃料で企業に貸し出す。入居企業は、産研や他企業の研究者との情報交換や線形加速器などの先端機器の利用ができるため、製品開発の効率が高まることが期待される。産研の山口明人所長は「特許出願などもサポートしたい」と話している。【高野聡】