『京都新聞』2009年5月12日付

産学公連携、中小向け人材育成へ
京都府などが推進事業


京都府と京都市、京都商工会議所、京都大などは11日、産学公連携で若い離職者や非正規労働者を中小企業向けの人材に育てる「京都未来を担う人づくり推進事業」の実施計画を発表した。府と市が近く設立するサポートセンターが本年度から3年間、毎年100人を公募のうえで雇用し、一般企業の初任給程度の給与を支払いながら高度な職業訓練サービスを提供する。

景気悪化による若年者の雇用不安の緩和とともに企業が求める技能を持つ人材を地域に供給し、雇用のミスマッチ解消を図る。国の緊急経済対策を受け、府が2月に創設した府緊急雇用対策基金75億円から3億円を充てる。産学公連携の人材育成事業は全国で初めてという。

京都大をはじめ大学コンソーシアム京都に加盟する10程度の大学が人材養成の教育プログラムを開発する。経済界は協力企業の組織を設け、研修を受け入れるほか、多くの人材の採用を目指す。

対象者は20歳−30代半ばの離職者や非正規労働者、不安定な身分のまま大学などで研究を続けるポストドクター(博士研究員)を想定する。6月下旬から全国公募する。本年度の教育期間は9月から半年間。原則、年度ごとに府内企業に全員の就職を目指す。

山田啓二知事や門川大作市長、立石義雄京商会頭ら各団体のトップ5人が京都市中京区の京商で記者会見した。山田知事は「基金を使い、一過性でなく定期的な雇用につながる人づくりにチャレンジしたい」と述べた。