『北海道新聞』2009年5月10日付

しわ治療 心も若返り 北大病院整容・美容外科外来 高齢者向けに開設


北大病院(札幌市北区、浅香正博院長)は五月、形成外科に「整容・美容外科」外来を開設した。道内の大学病院では初。対象は高齢者で、健康保険の適用外だが、年を取って生じたたるみやしわなどの治療で「見た目の改善に加え心のケアも図り、心身ともに充実した生活の提供を目指す」としている。

専門外来は月二回で完全予約制。日本形成外科学会専門医でつくる日本美容外科学会理事の山本有平・形成外科教授ら二人が担当する。

加齢で衰えた、たるんだまぶた、ほお、腹部、垂れた乳房、顔や体のしわなどを手術などで改善する。「抗加齢(アンチエイジング)医療の外科治療」と位置づけており、若者などに要望の多い二重まぶたや豊胸、隆鼻などは行わないという。

同病院によると、高齢化社会を背景に、加齢による容姿の変化に悩むお年寄りが、全道の各地から来院。自費診療となるが、そうした要望に応えようと、専門外来を開設した。

山本教授は「科学的根拠に基づく美容医療を提供し、高齢者の生活の質の向上に寄与したい。年だからとあきらめず、一度相談してほしい。美容外科を希望する若手が近年増えており、良質な医師の育成や先端的な技術の開発なども目指したい」と話している。

希望者は、まず形成外科外来(火、水、木曜日の午前中、予約不要)を受診した上で、「整容・美容外科」外来の予約が必要。

同病院によると、国立大学法人が運営する病院の美容外科外来は全国で八番目。