『北國新聞』2009年4月26日付

北陸医療の新拠点 金大病院再整備


金大附属病院の再開発整備完了を記念した式典は二十五日、同病院新外来診療棟で行われ、学内外の関係者約二百七十人が北陸の新しい医療拠点完成を祝った。出席者は五月七日に開院する外来診療棟の最新設備も見学し、地域医療の要であり先進医療の発信地となる新たな金大附属病院に期待を寄せた。

式典で富田勝郎病院長は、病棟、中央診療棟に続く外来診療棟の完成で十年にわたる再整備が終わったと紹介し、「最高の診療、研究、教育が我々の使命。職員一同『医の心』で最善の医療に取り組んでいく」と述べた。

中村信一学長も「次世代を担う医療人の育成と臨床医学の発展に一層努力する。目標である日本のベストテン大学にまた一歩近づいた」とあいさつした。

文部科学省の徳永保高等教育局長が塩谷立大臣の祝辞を代読し、森喜朗元首相、谷本正憲知事、山出保金沢市長が祝福を寄せた。

金沢大学病院医療支援機構理事長で金沢経済同友会代表幹事の飛田秀一北國新聞社社長は、「支援機構として新たなフロンティア医療や高度な人間ドックに挑戦する医療関係者を側面から応援していく」と述べた。

この後、関係者がくす玉を割り、出席者は懇親を深めた。

新外来診療棟は鉄筋コンクリート造り地下一階地上四階建てで、延べ床面積は一万八千七百十九平方メートル。総工費は約六十七億円。一階から三階に各診療科が入り、四階には輸血部やホールがある。一階奥では北陸初の病院出店となった「タリーズコーヒー」などが営業する。同病院の再開発整備に係る費用は二〇〇八(平成二十)年度までに約四百四十三億円。計画では一二年度までに既存施設の解体を終える。

新外来診療棟は二十六日午前十時から正午まで一般公開される。受け付けは午前十一時半まで。