共同通信配信記事 2009年4月22日付

求む、地域活性化の知恵 文科省、全都道府県に産学官拠点


文部科学省は22日までに、都道府県と大学、産業界が共同で科学技術分野の研究開発を進め、成果を地域経済の活性化につなげるための産学官連携拠点を全都道府県に1カ所ずつ整備する方針を固めた。

地方の産業構造に変革をもたらす狙いで、国はいわゆるハコものを整備し、実際に地域経済の発展に生かすための運用策は都道府県側の知恵とやる気に委ねる。政府、与党の追加経済対策の一環で、2009年度補正予算案に695億円を計上する。

文科省は「科学技術で地域を元気にする場になるよう、知恵を絞ってほしい」としている。

文科省所管の科学技術振興機構が施設を建て、実験などに必要な装置を配備する。規模は1カ所最大30億円。各都道府県に、どの大学や企業と組むか、何をテーマに活動するかのシナリオの提案を募り、各拠点の運用を担ってもらう。

施設は大学内に設置する方向で検討。新築でも、既にある施設の増築でもよく、文科省や経済産業省などが以前から進める産学官連携事業の拠点としても使える。

文科省は、開発成果を地元企業が気軽に使え、実用化と普及の足掛かりになる場に育つことを想定。既存の産学官連携事業で開発された、半導体製造などに有用なプラズマ微細加工装置を地元企業が活用できる名古屋市の「プラズマ技術産業応用センター」などを参考に検討した。