『沖縄タイムス』2009年4月23日付

民主、現法案に反対 大学院大法案/作業班が方針確認「運営 国立大で」


【東京】民主党は22日、沖縄科学技術大学院大学学園法案に関する作業チームの第2回会合を国会内で行った。大学院大学設置には賛同するが、運営形態は国立大学が適切と判断し、「特別な学校法人」としている現法案には反対する方針を確認した。政府側が同党の見解に沿って法案を修正しない場合、国会審議に臨まない姿勢を示した。

会合には同党県連の喜納昌吉代表と玉城デニー副代表が出席し、沖縄側の考え方などについて意見交換した。玉城氏は「県民は良いものができる、子供たちのためになるというイメージがあるが、法案の中身が情報共有されていない」と疑問を呈した。

作業チームは、国立大法人でも外部資金の獲得や世界レベルの研究者招致は可能とし、大学院大学の発展の障害にはならないとの考えで一致。今後、県内視察も検討している。

会合後、ネクスト文部科学副大臣の鈴木寛参院議員は記者団に「10年後、県民に多大な財政負担を押し付ける今の法案には重大な問題が多く含まれている」と指摘。「政府側が現法案で強行してきた場合、われわれはノーと言わざるを得ない」と述べた。

喜納氏は「沖縄の本来の特性を生かせるようにしないといけない。10年後、財政補てんできるか疑問。将来を考えると国立大の方がいい」と述べた。同党県連が一員となっている沖縄科学技術大学院大学設置促進県民会議が13日に今国会成立を同党に要請したことに関し、喜納氏は「(同会議と)方向性が違う」とし、脱会する可能性も含めて県連で意見集約する意向を示した。

県民会議成立求め 大型連休明け臨時総会

沖縄科学技術大学院大学の設置や運営方法を定める同大学学園法案に民主党が反対し、今国会での成立が不透明な情勢となっていることを受け、県内各界の113団体でつくる「沖縄科学技術大学院大学設置促進県民会議」(会長・仲井真弘多知事)は22日、臨時総会を5月の大型連休明けに開く方針を固めた。

法案の早期成立を求める新たな決議を採択し、仲井真知事ら役員が上京、要請行動を展開する見通し。

臨時総会は、5月7、8の両日を軸に調整。23日に県民会議幹事会(幹事長・仲里全輝副知事)を開き、正式に決定する。今国会での法案成立を逃せば、今後の開学に向けた作業に支障が出ると懸念。仲井真知事は県民一丸となって早期成立を求める姿勢を強くアピールし、民主党などの理解と協力を得たい考えだ。

仲井真知事ら県民会議役員は23日夕、急きょ上京。24日に民主党や政府・与党へ法案の早期成立を要請する。(島袋晋作)