『しんぶん赤旗』2009年4月20日付

学問・平和への思い
京大で益川さん、尾池前総長対談


ノーベル物理学賞受賞の益川敏英氏(京都大学名誉教授)と、同大学前総長の尾池和夫氏による対談が十九日、京大百周年時計台記念館(京都市左京区)で行われました。学問と教育、平和への思い、労働組合活動のエピソードなど二時間にわたり語り合い、会場いっぱいの市民や学生らが聴き入りました。

両氏が会員である京大職員組合OB会が開いたもの。

益川氏は「いまは授業料が高く、親の学歴で階層がわかれている。勉強したい人が安心してできる社会にしてほしい」と話しました。尾池氏は「学生の生活と自由を守ることが一番大事だという信念でやってきた」と述べました。

幼少のころの戦争体験を語った両氏。益川氏は、「戦争体験を語れる最後の世代。子や孫に同じ体験をさせたくない。九条の問題で狙っているのは交戦権だ。僕は戦争はいやです」と力を込め、尾池氏は「生理的に戦争がきらい。学生には、正しい法律を変えようとする動きから守らないといけないと言ってきた。九条はまさにそれです」と訴えました。

OB会代表世話人の加藤利三京大名誉教授があいさつしました。

京大経済学部の男子学生は「実用でなく真理を追究する二人のはっきりした科学的立場に感銘を受けた」と話していました。