『河北新報』2009年4月22日付

時間外未払い 労基署が是正勧告 山形大


山形大が昨年度、事務職員193人分の時間外手当約3200万円を支給せず、山形労働基準監督署から2月に是正勧告を受けていたことが21日、分かった。大学は既に未払い分を全額支給した。

山形大によると、未払いが判明したのは大学本部と農学部を除く5学部。昨年4月から今年1月にかけ、計約1万3500時間分の時間外手当を支給しなかった。月平均のサービス残業が50時間に上った職員もいたという。

未払いの理由について同大総務部の担当者は「職場の責任者の時間外勤務データの取り扱いがルーズだった」などと説明している。

労基署は昨年11月と今年1月、大学を抜き打ちで立ち入り調査し「医学部職員の労働時間管理が不適切」と指摘。同大が事務職員全約850人の時間外労働の実態を調査した結果、未払いが判明した。

結城章夫学長は21日の定例記者会見で「法人化前の国家公務員の意識が抜けず、今回の事態を招く一因になった。勧告を真摯(しんし)に受け止める」と話した。