『朝日新聞』2009年4月19日付

大学での「起業家教育」促進へ 経産省が新組織


経済産業省は、大学での「起業家教育」を促進するための組織「大学・大学院起業家教育推進ネットワーク」を5月に設立する。

全国の大学・大学院で開かれている起業家講座に活躍中の起業家を講師として派遣するほか、ベンチャー企業の仕事を体験するインターンシップ制度を設ける。特色ある授業は「モデル講座」に認定し、見学会も開く。今年度の予算は5300万円。サッカーJリーグ「アルビレックス新潟」を躍進させた池田弘・会長らが運営に助言する。

設立に先駆けた大和総研の調査では、全国の大学(回答校536校)の46%で何らかの起業家教育が実施されていることが判明。だが、「実践内容に、ばらつきが目立った」(同総研)という。

調査の報告書によると、米国の大学・大学院の起業家教育の講座数は5千以上で、この20年で約20倍に増加。日本で起業する人の比率が米国の約半分という統計もある。同省担当課は「日本の起業家教育は底上げの余地があり、これを推進することが日本経済の活性化につながる」とみている。

起業家教育に取り組む全国の約250大学での教育内容や教員などの情報を検索できるデータベースも同時に作成し、同省のホームページで公開をする予定だ。