『沖縄タイムス』2009年4月15日付

「拙速な成立 将来禍根」大学院大法案 民主作業班が対応協議
今国会成立には慎重


【東京】民主党は14日、国会に提出された沖縄科学技術大学院大学学園法案に関する作業チームの第1回会合を開き、対応を協議した。ネクスト文部科学副大臣の鈴木寛衆院議員は、国からの運営費の全額補助を10年間に限る法案を問題視し、「拙速な法案成立は将来に禍根を残しかねない。2012年の開学予定ならば、今年の秋ごろの臨時国会成立でも十分間に合うはずだ」と述べ、今国会での成立に慎重な姿勢を示した。

法案では大学を特別な学校法人として、開学から10年間は国から2分の1を超える補助を行えるとし、全額補助される見通しとなっている。

一方、会合では時限にとらわれず、国からの補助で安定した経営が可能な国立大学としての設置が望ましいとの意見が上がったという。

鈴木氏は「国立大学としての設置は暫定的なチームの意見。沖縄にとってベストなものにするため、十分な設置形態を目指す議論が必要」と述べ、次回会合での国や県内関係者からのヒアリングや、委員会付託された場合の現地視察を実施する考えを説明した。

このほか、会合では研究施設などハード面の整備が先行しているとし、執行された予算の調査を求める意見や、琉球大学など地元の研究施設との連携が不十分との指摘があった。

国や県は研究者を獲得する根拠となる大学理念を策定する学長の選考に早期に着手するため、今国会で法案を成立させたい考え。13日は仲里全輝副知事ら沖縄科学技術大学院大学設置促進県民会議のメンバーが上京し、民主党幹部に法案成立を要請していた。