『河北新報』2009年3月27日付

国公立大入学金 免除延納申請641人 東北


今春の東北の国公立大合格者のうち、600人以上が入学金の免除や延納を申請していることが27日、河北新報社の調査で分かった。進学や修学の資金確保に悩んでいる新入生や学生を支援する動きも、各大学で広がっている。

16校の国公立大対象にアンケートを実施、東北大、青森公立大など13校から回答を得た。

入学金免除、延納の申請者(26日現在、大学院含む)は計641人に上った。東北大が374人と最も多く、弘前大84人、福島大80人など。本年度、授業料を滞納している学生は250人だった。

支援策では、東北大が1月に「学生に対する緊急支援策検討タスク・フォース(特別作業班)」を設置。全学生を対象に授業料の減免や分割などを検討している。円高に苦しむ私費留学生には今月、一律5万円を支給した。

岩手県立大は昨年12月、授業料の納入が困難な学生や進学希望者に対応する「緊急相談窓口」を設けた。新年度、授業料減免のための予算は本年度を約2500万円上回る約8500万円を確保する。

秋田大は、これまで半額だった授業料の減免を3分の1に縮小し、恩恵を受けることができる学生を増やす考えだ。

入学金の免除、延納申請は本年度、13校で729人。新年度の人数に後期日程入試の合格者は含まれず、今後さらに増える可能性がある。

東北大は「現段階でも学部新入生の申請は本年度に比べて多い。不況や雇用情勢の悪化が影響しているのではないか」とみている。