『信濃毎日新聞』2009年3月31日付

信大が法科大学院の定員削減決定 規模は学長に一任


信大(本部・松本市)は30日、長野市で役員会を開き、同大法科大学院の定員を削減すると決めた。削減数は未定で、小宮山淳学長に一任した。2010年度入試から新定員で学生を募集する方針。

同校の定員は40人だが、05年の開設直後に設置申請書類の虚偽記載が発覚したのを踏まえ、06年度から「少人数教育でしっかり取り組む」として、募集人員を自主的に30人に抑えている。小宮山学長は取材に対し「30人が削減のスタートラインになることは十分ありうる」とし、30人未満になる可能性を示した。

04年に全国でスタートした法科大学院は新司法試験の合格率が低迷。中央教育審議会大学分科会の特別委員会は昨秋、「質向上」策の中間まとめを発表し、新司法試験合格実績が低い大学院などは主体的な定員見直しや統廃合を検討するよう求めた。信大も昨年初めて29人が修了、うち19人が新司法試験に臨んだが、合格者はいなかった。昨年、全国74の法科大学院で合格者がゼロなのは信大を含め3校だった。

小宮山学長は「少人数教育によって今以上に教育の充実を図りたい」と強調。「定員削減で経営面は苦しくなるが、法科大学院は地域法曹の養成に向けて開設に手を挙げた。削減数は教育の充実を最優先に総合的に判断したい」としている。