『しんぶん赤旗』2009年3月27日付

退学・入学辞退相次ぐ
学生に経済困難直撃
国などに援助要求
本紙大学調査


経済的な理由で入学を辞退したり、退学・休学する学生が増えています。本紙が国公私立の約六百の大学に景気悪化による学生への影響についてアンケート調査をしたところ、二十六日までに回答のあった百二十八大学のうち、約一割にあたる十二大学が退学・休学・入学辞退の申請が増えたと答えています。

経済的困難で入学辞退者が相次ぎ、緊急に学費減免などの経済支援入試を実施した首都圏のある大学では、「応募者が殺到した」といいます。一方、アンケートに回答した大学の93%が、国や自治体にたいし、授業料免除措置や給付制奨学金の拡充などの援助を求めています。

景気悪化が学生に与えている影響では、退学・休学申請が増えたほか、回答の七割にあたる八十四大学が「授業料や奨学金についての相談が増えた」と答えています。「内定取り消しなど就職活動が困難になった」と答えた大学も二十四にのぼりました。

アンケートでは、新入生・在学生への新たな経済支援(入学料・授業料減免、給付制奨学金などの拡充、留学生への支援、内定取り消し被害者への救済など)についても質問。「実施している」(三十九大学)、 「検討している」(二十一大学)をあわせて、回答のあった大学の約五割が、支援策に乗り出しています。これに、本紙が二月に実施したホームページによる調査(二月十四日付報道)で実施していることがわかった大学(アンケート回答との重複を除く)五十三大学を加えると、〇九年度から新たな支援策に乗り出す大学は百を超えています。

首都圏の別の大学では、いったんは経済的理由から推薦入学を辞退した学生が、緊急支援入試を受験して合格。入学金と授業料の半額に相当する給付金を受けることができ、進学の夢をはたしています。

回答には、国が実施している定額給付金のばらまきを批判し、「私学の現場では、社会正義の成ることを真剣に求めて訴えています」とつづったものもありました。