『佐賀新聞』2009年3月31日付

産学官連携事業スタート 新年度は13事業


佐賀大や県内自治体、産業界の6団体が昨秋に締結した包括連携協定に基づく事業が新年度からスタートする。自動車産業の人材育成や認知症高齢者のサポート事業など13事業で総事業費は約4200万円。大学の知的資源や人材を生かしながら、幅広い分野で課題解決や活性化につなげる試みを展開する。

参加しているのは佐賀大、県、県市長会、県町村会、県商工会議所連合会、県商工会連合会。

新年度の事業は、教育・文化・生涯学習・人材育成▽地域、産業振興▽情報化社会の構築▽地域医療、福祉の向上の4分野で、佐賀大と県を中心に事業を展開。事業費は両者が出し合い、佐賀大は約775万円を負担。国の補助金なども活用する。

既に大学などで実施している自動車産業の人材育成やインターネットなどを活用した唐津東松浦地区の離島住民への遠隔診療システムづくりのほか、タマネギなど県産農産物の有効成分を基にした機能性食品開発、県と大学間の職員相互派遣、自治体や企業での学生の就業体験も進める。

2年目以降は「各事業ごとに各団体と負担を検討する」(佐賀大)という。

佐賀大の長谷川照学長は「地域の課題を大学の教育の中にも取り込むなどこれまでの努力が認められて、このような連携事業につながった」と評価。県統括本部の山崎忠文副本部長も「佐賀大なしにできない事業もあり、大いに期待している。財政事情は厳しいが、事業費の確保に知恵を絞りたい」と話した。