『毎日新聞』福井版2009年3月26日付

高浜町:地域の初期医療を守る 寄付講座開設、福井大と協定


医師確保に取り組む高浜町は25日、福井大学医学部と地域の初期医療に関する寄付講座開設の協定書を交わした。病院経営に詳しい伊関友伸・城西大准教授によると、町村が単独で地域医療に関する寄付講座を設けるのは全国で初めてだという。

今後は町内にある社会保険高浜病院(同町宮崎)と和田診療所(同町和田)に同大学の研究室を設置するなどして、学生や初期・後期研修医に地域医療の研究拠点を提供する。当面は11年度までの設置で、町は計6500万円を拠出する。

地域医療では、病気の初期段階の治療が重要とされる。しかし、大学では専門性の高い医者が教えることが多く、初期医療に必要な総合力を身につけにくいという。提携で、同大学は臨床教育の現場を確保でき、同町は医師の確保や定着を図り、地域医療の先進事例を作り上げることを期待している。【高橋隆輔】