『京都新聞』2009年3月26日付

財政難で市立看護短大廃止へ
京都市、佛大新学科に協力


京都市は25日、市立看護短大(中京区)を2011年度末に廃止する方針を明らかにした。医療の高度化への対応や財政難などが理由で、10年度以降は学生を募集しない方針だ。教員は佛教大が11年度に中京区の二条キャンパスに新設する予定の看護学科が受け入れる。市は奨学金制度の創設や実習先の提供などで佛大の運営に協力していく。

市立看護短大は全国初の公立看護短大として1954年4月に開設。現在は看護科で約150人の学生が勉強している。受験者数は毎年、定員(50人)の約7倍に上る。

近年、医療の高度化とともに、全国的に3年課程の短大から4年課程の大学に移行するケースが増えており、市も約1年前から4年制移行を含め運営の在り方を検討してきた。

市によると、市立看護短大を4年制大学にすれば、建物の改修費などで20億円以上の経費がかかるため、4年制への移行を断念。昨年末に市内の大学を対象にしたアンケート調査で、看護学科の開設時期など条件に合う佛大に協力を求めることで合意したという。

私立は公立よりも入学金や学費が高くなるため、市が佛大看護学科の学生を対象にした奨学金制度の創設を検討している。

看護短大の廃止に伴い、教員(現在16人)は佛大に再就職でき、うち1人は初代学科長に就任する予定。

門川大作市長は記者会見で「佛大に市立看護短大で長年培われたノウハウや伝統を引き継いでもらうことは看護学校の新しい発展につながる」と述べた。