『読売新聞』茨城版2009年3月25日付

「医療教育センター」開所
筑波大と水戸協同病院連携


筑波大と県厚生農業協同組合連合会が連携し、同連合会が運営する水戸協同病院(水戸市宮町)に「筑波大学付属病院水戸地域医療教育センター」が開設され、24日、開所式があった。医学生や初期研修医を受け入れ、総合診療や救急医療の教育や研修を行い、地域医療を担う医師の養成が期待されている。

大学付属病院の施設が民間病院に設けられ、教育や研修を行うのは全国でも初めてだという。

センターでは、同大が公募、採用した11人の医師が診療にあたる一方、教員として指導する。研修医らにとって、様々な症例を診療できる総合診療の技術を身につける場になるという。

大学病院の教育ノウハウと、水戸協同病院の豊富な臨床数をアピールし、県内外から多くの初期研修医を集め、最終的に県内の医師数の増加につなげたいという意図もある。

水戸協同病院は、2001年度に43人いた常勤医が現在は21人と半減し、401床のうち、稼働病床は173床。10人の後期研修医も水戸協同病院に在籍して診療し、医師が増えるため稼働病床も約220床に増える見込み。

水戸協同病院の平野篤院長は「地域医療、水戸市民、県民のためのセンターとなった」と開設を宣言し、筑波大付属病院の山田信博院長は「医師不足解消のために、他の病院でも同様の取り組みができれば」と話していた。