『毎日新聞』2009年3月26日付

文科省評価委:国立大11法人”赤点” 交付金に反映へ


文部科学省の国立大学法人評価委員会は26日、国立大学法人と大学共同利用機関法人計90法人の教育や運営などに関する中期目標達成状況の評価と、各学部や大学院の研究科などの評価結果を公表した。大半の達成状況は良好だったが、11法人に「達成状況が不十分」な項目があり、計26学部・研究科が複数の評価項目で「期待を下回る」などとされた。文科省は10年度以降の運営費交付金配分の際、評価の高低に応じて額を増減させる。

国立大の法人化に伴い、各大学が6年間(04〜09年度)の中期目標を設定し、同委員会が評価する制度がスタート。次の6年の計画策定と、10年度予算の配分に反映させるために04〜07年度分を総括した。

法人の目標達成状況は教育や研究、財務内容など7〜8項目を5段階で評価。最低の「重大な改善事項がある」はなかったが、福岡教育大が2項目で、東京大など10法人が1項目で下から2番目の「不十分」とされた。

学部・研究科は教育内容や研究成果など7項目を4段階、教育の質の向上度など2項目を3段階で評価。各項目とも9割超の組織は「期待される水準にある」などとされたが、東京工業大大学院イノベーションマネジメント研究科が4項目で「期待を下回る(最低)」とされ、京都大は10学部・研究科で「期待を下回る」とされるなど低評価が目立つ大学もあった。

文科省は今後、交付金配分の具体的な方法を検討する。【加藤隆寛】