共同通信配信記事 2009年3月18日付

研究開発に投資継続を 有識者会合で研究者ら


政府の経済危機克服のための第3回の有識者会合が18日、首相官邸で開かれ、学校関係者や研究者から、経済危機の中でも将来に向けた教育、研究開発への投資を怠らないよう求める提言が相次いだ。

理化学研究所の野依良治理事長は「(金融)危機拡大は新たなイノベーション(技術革新)の絶好機だ」と強調し、高等教育システム強化のために積極的な公的資金を投入するよう求めた。東レの榊原定征(さかきばら・さだゆき)社長は、研究施設に1兆円規模で投資することに加え、学校で使用するエネルギーを太陽光発電などで賄い、生きた教材にする「グリーンスクール構想」を提言した。

東大大学院の黒田玲子教授は研究者が活躍するために保育所の充実を提案し、「やっていけないのは科学技術予算の削減だ」と訴えた。

安西祐一郎・慶応義塾長は「経済危機が学歴格差を生む状況になっている」と指摘、学生に対する学費減免を支援することで「教育無格差立国」の実現を目指す案を提案した。京都市立堀川高校の荒瀬克己校長は、研究開発校を指定し、資金も投入することにより学校を活性化する案を示した。