『しんぶん赤旗』2009年3月17日付

「高学歴難民」救え
石井議員 奨学金返済でも追及


日本共産党の石井郁子議員は衆院文部科学委員会で十三日、「高学歴難民」「高学歴ワーキングプア」の深刻な現状などについて、政府の対応をただしました。

石井氏は、正規雇用につけない博士課程修了者が現在十万人を超えている状況を紹介。「政府自らが大学院生の急増化方針をとってきたにもかかわらず、そのポストの確保は不十分だ」と批判しました。

塩谷立文科相は、「若い人たちが専門の研究を大いにできるように、 活躍の場を広げていかなければならない。喫緊の課題として検討を進めたい」と答えました。

また石井氏は、研究活動をしつつ、非常勤講師もして生活の糧を得なければならない研究者の実例を示し、「多くの研究者は不安定な生活をよぎなくされ、奨学金の返済にまで手が回らない。強制返済させることをやめさせ、返済猶予枠をさらに広げるなど、政府の責任で救済すべきだ」と求めました。

塩谷文科相は、「(奨学金の返済猶予が)五年というのは一つの目安。厳しい人には相談にのるよう指導したい」と述べました。

また奨学金の返済が延滞した場合に、奨学生の個人情報が個人信用機関に登録され、住宅ローンを組んだりクレジットカードを使うことができなくなるなどの事態に陥ると指摘。「教育的である奨学金制度を根本から変えるものだ」と厳しく批判し、返済なしの奨学金給付制度の導入の必要性を指摘しました。

塩谷文科相は、「返済が厳しい人には基準の見直しもしたい。給付制度については、一つの方法として今後慎重に検討していきたい」と答弁しました。