『京都新聞』2009年3月9日付

大学の果たすべき役割探る
大阪で関西学士会の開設記念企画


旧帝国大7大学の同窓会組織「学士会」の西日本における活動組織「関西学士会」の開設記念企画「大学の本領−関西からの提言」(学士会主催、京都大など共催)が8日、大阪市北区の大阪大中之島センターで開かれた。松本紘京大総長、鷲田清一大阪大総長、有川節夫九州大総長の3人が、大学の教育と研究、果たすべき役割を語り合った。

西日本での活動を始めるにあたり、大学が抱える課題を考えようと企画した。3大学の総長が大学院生6人と座談した後、人材育成や法人化などについて語った。

鷲田大阪大総長は「1番大切なのは学生の知性を刺激すること。学問の細分化が進み、高学年ほど教養教育が必要になっている」とコミュニケーション能力をつける大学院教育を紹介、「博士をもっと社会が評価してほしい」と注文した。

松本京大総長も「教養教育を10年かけて見直す」と強調、「幅広い教養のためには先生の個性を伝えることが必要」と改革の方向性を示した。国際化についても、アジアの大学との単位互換を進める考えを示し、「よその国に学生自ら飛び込んでいく勇気を持ってほしい」と呼びかけた。