『読売新聞』2009年3月8日付

新設大学の教員名公表…文科省
認可後の変更抑止


文部科学省は来年度から、大学や学部の新設の際、教員名簿やカリキュラムなどの資料を公表することを決めた。

2004年の設置基準の緩和で大学の質の低下が指摘される中、認可後に大学側が安易に計画変更することを抑止する狙いがある。週内にも全国の大学などに通知する。

文科省は現在、大学の名称や住所などを公表しているが、それ以外の情報の公開は大学の自主的な取り組みに任せている。

しかし、設置基準の緩和を受けて、大学や学部などの新設が相次いだ結果、経営が安定しない大学の中には人件費を抑制するため、実績のある教授を若手に代えたり、カリキュラムを変更したりするケースも増えている。

このため、同省は2月下旬に省令を改正した。来年度からは、〈1〉カリキュラムや職員数、図書数などを記した基本計画書〈2〉学則〈3〉設立趣旨〈4〉教員名簿――などを同省のホームページ上で閲覧できるようになる。同省は当初の計画を公表することで、大学側の都合による変更を抑制したいとしている。