『琉球新報』2009年3月6日付

「環境」も研究対象追加 大学院大


【東京】独立行政法人沖縄科学技術研究基盤整備機構(シドニー・ブレナー理事長)の今後の運営方針となる次期中期計画が5日までにまとまった。沖縄科学技術大学院大学(OIST)の認可を2011年3月までに文部科学省に申請することや、10年度をめどにサンゴや海洋生物などを研究する環境科学分野の「大学院コミッティ」を開設することなどが明記された。計画期間は09年4月1日から12年3月31日まで。独立行政法人評価委員会で5日、了承された。

「大学院コミッティ」は、研究者間の交流を促し、将来の博士課程教育で中核的役割を果たす同大学院大学独自のグループ。沖縄科学技術研究基盤整備機構には現在、神経科学、分子科学、数理・計算生物学の3つがあり、研究者は複数に所属できる。

次期計画で示されている今後の研究開発活動は(1)09年度中にゲノム解析用計算ツール開発に着手(2)環境科学分野で個体群生物学・生態学の研究者を採用(3)神経科学と構造生物学の分野を強化充実―などとなっている。

ほかに(1)住民理解を深めるため学校訪問、施設の一般公開、見学者受け入れを図る(2)教授らの給与体系、終身在職権、定年の扱いは国際基準に即するよう検討、教育研究の基本組織などを09年中に明確にする―などが盛り込まれた。