『中国新聞』2009年3月1日付

広大が学士課程など見直しへ


広島大が、学士課程の教育や研究組織の大幅な見直しに乗り出していることが分かった。2004年の国立大の法人化以降続く運営費交付金の削減や大学間競争が厳しくなる中、今年創設60年となる総合研究大学としての発展を図るため、将来像を見据えた「広島大学の長期ビジョン」を今月末までに策定する。10年度から始まる第2期中期目標・計画にも反映させる。

学士課程教育は、各大学で形骸(けいがい)化している1年間の「教養教育」を改革する。社会とかかわる力▽知識・情報・技術の活用力―と目標を定め、4年間にわたり教え、大学院修士課程でも実施するという。

新しい教養教育と、11学部の専門教育で06年から始めた独自の「到達目標型教育」を推進。政府の中央教育審議会が審議している「大学教育の質の保証」にも応える。

研究組織では、大学院研究科や原爆放射線医科学研究所、各研究センターの再編を想定。1949年の開学以来、各学部の上に設け拡充してきた12の研究科を大きく4領域にくくり、学士・大学院教育の充実や、新分野や異文化融合型の研究に対応する。教員を既存の教育組織から分離し、柔軟に構成する案を示している。